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市川智浩 大井町店店長・野菜バイヤー 平成4年入社 |
人を育てるのも店長の仕事だから、新人にもどんどん仕事を任せる。
自分も含めてスタッフ全員が、お客さまに喜んでもらって業績を上げるという同じ目的を持った一つの「チーム」という感覚で盛り上がる |
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私は小田原の出身なんですが、実は澤光青果に入社する前に地元の会社に勤めていて、ですから中途入社という事になります。その会社は業績的には問題なかったのですが、自分の頭でものを考えて仕事をするというような部分が少なく、同じようなことをして、会社を行き帰りする毎日の生活が嫌になり、入社10年目に転職を考えました。その頃はまだバブル景気の名残があって、そのまま会社に残れば十分生活していけるという状態で、やめると決めた時には同僚から「馬鹿じゃないか」と、言われましたよ(笑)。
でも、とにかくそんな生活から抜け出して人生をやり直したかったんですね、まだ20代でしたから。それでどうせやるなら商売人だと。それも花屋か八百屋だと、まあ、漠然とそう思って。実は、いずにせよノウハウを学んで将来は独立するつもりだったんですね。
澤光青果もまだ10店舗くらいの時で、今の会長に直接面接していただいて入社を決めました。お会いする前は、もうすっかり「八百屋の親父さん」をイメージしていたので、実際にお会いした時にはそのギャップに驚きましたね(笑)。そのダンディぶり、存在感、そしてお話になるビジョンなど含めて、まさに「八百屋」という既成概念を打ち破る存在だと思いました。またその後、澤光青果自体もそのような存在として成長し、その中で自分も大分成長できたのではないかと感謝しています。
「澤光青果の店長」という職種ならではの面白さは、「全て任されている」ということですね。澤光青果の店舗は立地によって客層が実に異なりますから、お客さまのニーズを最優先に考えると、値付けも、ディスプレーのやり方も、今日何を「イチオシ」にするかも、とにかく全部、各店舗に任せるのがベストのやり方なんだと思います。
ところが毎日同じような仕事をしていても、その日の天気をはじめ、お客様の気分、仕入れ値や近隣のライバル店の動向、そして肝心の品物の良し悪しという組み合わせが全く同じという日は絶対にありえないわけで、そうなると、任された我々としても、「正解」というのは実は分からない。結局、売れても売れなくても、「もっとうまい方法があったんじゃないか」といつも思うわけですね。でも、これがまた楽しいんです。今ではそんなに「ヨミ」をはずすことはないんですが、それでも「同じようにやったんだけど、前の日は売れたのに今日はさっぱりだ」みたいなことはたまにあって、だから飽きないんですね。また新鮮な気分になります。だから、これがベストという答えがないというのが自分の中では「最高のモーチベーション」になっているような気がします。
どんな仕事も同じだと思うんですが、仕事というのはこんな風に工夫して結果が出れば面白いものだと思うんですね。だから、店のスタッフには何とかこの面白さを知ってもらいたいと思っているんです。それにはとにかく実際にやらせてみることが一番なので、任せられるものは出来るだけそうするようにしています。
人っていうのは、うまくいくと、嬉しくてまた工夫してみるじゃないですか。成功の味をしめるというか、成功体験っていうのは人の成長に欠かせないと思うから、新人にもとにかく簡単な事からどんどん任せてやらせるようにしています。「人を育てるのも店長の仕事だ」と上のほうからよく言われるんですが、とにかく仕事の面白ささえ分かってもらえれば、あとは放っておいても勝手に育っていくんじゃないかと個人的には考えているんです。
逆に、手取り足取り教えてもらいたいタイプの人だと、この仕事では伸びないんじゃないかと思いますね。失敗してもいいんです。こちらもちゃんと見ているので、そんなにひどい失敗にはなりませんから。失敗すればしたで、その原因は本人が一番分かっています。その辺で勉強してもらえればまた成長するはずです。
「人を育てる」という意味で気をつけているのは、むしろ職場環境ですね。とくに人間関係はとても大切です。毎日かなり長い時間一緒に働く事になるので、やはり楽しくやるのが一番。自分も含めて店のスタッフ全員が、お客さまに喜んでもらって業績を上げるという同じ目的を持った一つの「チーム」という感覚でやっています。
月間の売上がよかったりすると結構、盛り上がりますよ。 |
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